No snack, no life.

私は困っていた。

「今日のおやつはどうしよう?」

 

私は物心ついたころからおやつを食べてきた。

どんなに家計が苦しくても、おやつはあった。

仕事の都合でおやつが食べられなかったときは、しわ寄せに

夕食後のデザートとして食べてきた。

 

そして今日

「きょうのおやつはどうしよう?」

「生活費が少ないのであるもの食べようよ。」

「夕飯はいいとしておやつどうするよ?」

沈黙が続いた。

もう昼下がりの2時半、おやつの時間が近づいている、

すると

「お母さん!フレンチトーストはどう?」

おおっ、娘、ナイスアイディア!!

で?

材料はある?

「あるでしょ?食パンに牛乳に卵にお砂糖。」

娘は指差し確認をして私に教えた。

で、だれが作るの?

「私が作る!!」

娘は言った。

ところが

台所がまた片付いていない…。

「私が買い出し行っちゃったら、誰が洗い物するの?」

「お母さん、流しに刃物とかある?」

「あるかもよ。」

娘はビビった。

ちらっとパパを見ると、ぐうと寝ている。

私はちょっとムカッとした。

せっかくの娘の自立になるこの出来事を

助けてあげないのか?と。

 

私は台所を片づけ、ダイニングテーブルを作業台にした。

道具、材料は娘に揃えさせ、作らせた。

「レシピ見たら2人前になってるけど?」

「どうやって3人前にするの?」

「計算するのよ。」

「えーめんどくさい。」

ええい!

わたしはずっとそうやってきたんだ、計算せえ!

娘は電卓を使って計算を始めた。まあいい。

 

ふと見ると

浸したパンをキッチンペーパーの上に置いてる。

下には皿がない…。

「娘!何やってる?そんなことしたら卵液足りなくなるじゃない!!」

私は娘が1枚ずつ卵液に浸してるのを見てしまった。

そうじゃないんだ。

全部ぶち込んで浸すんだと。

 

パンが卵液を吸ったので

焼くことにした。

「お母さん、ごめん。焼いて。」

…少し考えた。

このレシピには火加減も書いてない。

ここは勘で焼くしかないな。

「よし、娘、よく頑張った。後はやるわ。」

こうして無事にフレンチトーストはできた。

で、パパなんだけど

起きてきて

食べた。

私は

「第2弾あるんだけど、パパ焼いてくれる?」と言った。

そうだよ少しは手伝えよ。

パパは少し眠そうに焼いた。

バターが好きなパパ。

若干多かったような気がする。

 

私らはおもわぬおやつに満足した。

さて、これからまた活動する。

 

私は言う。

おやつのない人生なんて考えられない。

それはまるでお星様のない夜空だ。

 

それではこの辺で。