大黒ふ頭へ釣りに行った

もう何年も前の話

娘とパパに釣りブームが来た。

何のことはない、釣りをモチーフにした漫画のおかげで

釣りに興味を持ったのだ。

これはいい勉強になる、と私は思った。

早速釣り道具屋に道具を買いに行く…、

ちょっと待った。

実家の父が昔釣り道楽者だった。

道具今でもあるかな?

ちょっと尋ねてみた。

「だーめ、確かに最近釣りやってないけど、これは僕のっ。」

何だ?この所有欲。

私は釣り道具屋に行くことにした。

家族全員でのお買い物は楽しい。

私はイワシかアジが釣れたらいいねとハリス(だった?)を探した。

パパがいろいろ講釈をたれるが、あのですね、

私も釣り経験者なんですけど。

釣り竿セット

ハリス

冷凍オキアミ

なぜか、ヘラ

パパが走ってきた。

「おーい、これもいるー!」

え?ライフジャケット?

船釣りじゃないんだからいらないって!

ふ頭で釣るんだったら、貸してくれるって!!

「いーやっ、なかったらどうするんだ!」

パパの親バカである。

私はあきらめて買う事にした。

 

その日が来た。

朝から出発して、駐車場に車を止めるも一苦労。

そう。

この日、午前中干潮、お昼から満潮になるので

朝は釣り人でごった返していた。

用意した荷物を持って

ふ頭に行った。

ありがたい?ことに、さほど人はいなかった。

私らは早速釣りを始めた。

おお

ビギナーズラック!

小さな魚が一匹釣れた。

私が魚を張りから外そうとすると

「危ないからこれ使って!」と

パパがヘラを持ってきた。

あーこの事か。

いらんよ。

しかしパパは引き下がらず、「代わって」と言って

魚を針からヘラを使って外した。

 

しかし

そこからアタリが出ない…。

海面が上がってきた、満潮だ。

次々と人が道具を片づけて帰っていく。

私らも帰り支度をした。

娘は思いのほかすぐ飽きたらしく、

帰ることにためらいはなかった。

 

魚は逃がした。

一匹食べてもどこ入ったか分からないし、

第一三人で分けられない。

 

家に帰ると昼回っていた。

早速道具をつけおき洗いして塩を抜き、

リビングに転がった。

パパは「また行こうね」とは言わなかった。

娘も「また行こうね」とは言わなかった。

 

まあそうだろうなーとは思ったが

今も娘の部屋に釣り道具セットがある。

私も大して釣りに興味はないが実家の父のおかげで

ちょっとぐらいは釣りができる。

 

潮の干満表を見て釣り時を決めるなんて

なんかいいなと思ってしまう私だった。

 

それではこの辺で。