パイオニア

学生時代、私は幽霊部員をしていた。

なぜ幽霊か

出席してもろくに英語が話せない、聞き取れないからだ。

学校に入って文系と理系でこんなにも英語に差が出るのかと

がっくりしていた。

そんな私はノルマとして

ディスカッションのコンテストに出たことがある。

評価は当然

「英語の技術何とかしろ」だった。当たり前だ。

 

幽霊はしていたが

当時友達でいてくれた部長は

「お前パイオニアだよ。」と言った。

私の学部からこの部活動に出た生徒は私が初めてだったこと。

なにより、私は他の幽霊部員と仲が良く、

一緒に話すことができた、それを部長は重宝してくれたのだ。

 

英語ができないコンプレックスは

さほど強くはなかったが

おけいこや塾は大学生は行かないもんだと言う

大いなる誤解のせいで英語のおけいこには

当時通えなかった。

通えばよかったと今でも後悔している。

 

私は卒業後進学した。

時々部活をのぞいてみた。

すると

私の後輩が部長をしている!

え?え?どういうこと??

聞いてみると

「あー、英語得意だったんで入ってみようかなと思ったんです。」

君がパイオニアになるべきだった!!!!

 

卒業して20年以上になる。

メンバーは今も定期的に合ってるらしい。

でも私は苗字も変わり、現住所を一人しか教えておらず、

しかもみんなのいるところからは遠い。

会いたいが

この英語力で少しは部員の友達たちに近づけたんだろうか?

…おそらくまだだ。

 

そして今日も

私は英語を勉強するのだ。

いつか会うかも会えないかもしれない友人に

英語で話せるためにも。

 

それではこの辺で。